ドラム式洗濯機のヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の違いは?徹底比較

ドラム式洗濯機のヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の違いは?徹底比較

ドラム式洗濯機で高価格のモデルと低価格のモデルがよく比較をしているお客様が多い。

大きな違いは乾燥方式の違いだ。何が違うの?という質問が多いので今回、記事にしてみた。乾燥方式が違いで仕上がりも大きく差がでる。

詳しくお伝えしよう。

ドラム式洗濯機のヒートポンプ乾燥とは

洗濯機には、縦型洗濯機とドラム式洗濯機の2種類あることはご存知であろうが、その洗濯機についている乾燥機能にも2種類あることまでは、ご存知だろうか。

それが今回ご紹介するヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥である。このうち、ヒートポンプ乾燥は、ドラム式洗濯機にのみついている乾燥機能である。

なお、ヒーター乾燥はドラム式洗濯機にも縦型洗濯機にもついている。

今回は、ドラム式洗濯機のヒートポンプ乾燥機能についてご紹介しよう。

ヒートポンプって何?

ポンプは、低いところから水を高いところに汲み出すときに使う機械だ。

普通、水は高いところから低いところに流れるものであるから、ポンプは水に反対の動きをさせるための機械ということになる。

熱も水と同じく、温度の高いところから低いところに移っていく。

ヒートポンプは、熱を低いところから高いところに取り出す機械ということになる。

ヒートポンプを使えば、低い温度のところから熱を取り出して、高い温度のところをさらに熱くするので、寒いところはさらに寒く、暖かいところはより暖かくなるというわけだ。

ヒートポンプ乾燥の仕組み

では、ヒートポンプ乾燥のドラム式洗濯機は、どのようにして衣類を乾燥させるのだろうか。

①空気を除湿する

ヒートポンプの働きは、冷たい空気から熱を取り出すところから始まる。

冷たい空気から熱を取り出すと、冷たい空気はさらに冷たくなる。

このために、空気中に蓄えられる湿気の上限が下がり、空気から水分が失われる。

冬場に空気が乾燥しやすくなるのと同じ現象である。

空気中から溢れた湿気は水に変わり、除湿されるというわけだ。

②加熱する

除湿された空気は、加熱器に通され、乾いた温風となる。

③ドラムに温風を入れる

乾いた温風は、ドラムの中に戻され、衣類に当てられる。

そして、衣類から水分を吸収する。

④再び除湿

乾燥に使われた温風は、湿度を帯びた状態になっている。

この温風から熱を取り出し、湿気を減らすことで、再び除湿する。

こうして除湿→加熱→乾燥→除湿というプロセスを繰り返し、衣類を乾かしていくのだ。

ヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の違い

縦型からドラム式まで広く普及しているヒーター乾燥機能は、例えて言えば巨大なドライヤーである。

電気の力で熱を発生させて空気を温め、その温風を衣類に直接当てて乾かすのだ。まさしく、ドライヤーを衣類に当てて乾かしているようなイメージである。

ドライヤーと同じような仕組みなので、ヒーター乾燥の機械は、構造がとてもシンプルである。

したがって、製造コストも低く、歴史も長い。

ところが、ヒーター乾燥では温風を生み出すエネルギー源は、電気だけである。

そのため、電気の消費量がとても高くなってしまう。

一方、ヒートポンプ乾燥では、空気中の熱を利用するので、温風を作り出す際に使う電気がより少なくて済む。

しかも、温風を作り出す過程で、空気そのものも除湿するので、乾燥効率が高い利点がある。

その反面、ヒートポンプ乾燥は、空気から熱を取り出す仕組みが必要なので、機械のコストが高くなってしまう。

 

ドラム式洗濯機の洗浄力のポイント

ヒートポンプ乾燥は、ドラム式洗濯機にしかついていない機能である。

洗濯機の基本機能は、やはり洗浄力である。

縦型洗濯機とドラム式洗濯機なら、縦型洗濯機の方が洗浄力に優れていると思っている方はいないだろうか。

そんな方は、ドラム式洗濯機を躊躇してしまい、せっかく優れたヒートポンプ乾燥機能を利用できなくなってしまうかもしれない。

そこで、本題からは少し逸れるが、ドラム式洗濯機の洗浄力について説明しよう。

洗浄方式の比較

ドラム式洗濯機縦型洗濯機
洗濯方式衣類を持ち上げて落とすたたき洗い回転力により、水流を巻き上げるもみ洗い
特徴節水性・省エネ性が高い

洗剤の使用量が少ない

衣類を舞い上がらせて乾燥させるので、仕上がりが柔らかくふんわりとしている

乾燥してもシワになりにくい

泥汚れや食べ物の汚れも取り除きやすい

洗剤が衣類の繊維の隙間にしっかりと浸透して、洗浄力を高められる

 

ドラム式洗濯機もしっかり洗える

洗浄方式の比較を読んでいただくと、縦型洗濯機の方がよく洗えるように見える。特に小さなお子さんがいるご家庭ならドラム式の方がおすすめに思えるだろう。

だが、心配はご無用だ。

ドラム式洗濯機も、洗浄力はかなり高くなっている。

一例を挙げると、シャープのドラム式洗濯機に搭載されているマイクロ高圧洗浄機能である。

これは、水道水を100万個/秒以上の細かな水滴に変えて、衣類に浸透させる洗浄機能だ。

細かな水滴なので、衣類の繊維の奥まで入り込み、汚れを弾き飛ばす上、生地の布地も痛みにくいという優れた洗浄機能である。

それに加え、扉の内側に洗濯板のような凸凹をつけて、洗浄力をさらに高めている。このように、ドラム式洗濯機もしっかりと洗えるようになっているのだ。

 

ヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥を徹底比較

ここからはヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の違いを徹底比較していく。

温度、電気代、水道代、本体価格などの違いをお伝えしよう。

乾燥の温度

ヒートポンプ乾燥<ヒーター乾燥

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
温度約60〜65℃約100℃

温風の温度では、単純にヒーター乾燥の方がヒートポンプ乾燥よりかなり高温なので、乾燥性能に優れているように見える。

だが、温度が高い=乾燥性能が高いというではない。

なぜなら、これほどまでに温度が高いと、衣類が傷んだり、縮んだりしてしまう恐れがあるからだ。

ヒーター乾燥がドライヤーで衣類を乾かすという感じなのに対し、ヒートポンプ乾燥なら、除湿された温風で衣類から湿度を取り除き、乾燥させるというイメージだ。

ヒートポンプ乾燥は、温度はヒーター乾燥ほど高くないが、衣類を傷めない少し暖かめの温風で優しく乾かすのだ。

電気代

ヒートポンプ乾燥<ヒーター乾燥

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
電気代安い高い

ヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥での電気代の違いを消費電力量の違いから比較してみよう。

洗濯・脱水容量/乾燥容量が近いドラム式洗濯機でわかりやすく比較してみたいと思う。

①パナソニックのドラム式洗濯機

NA-VX700ALNA-VX300ALNA-VG2400LNA-VG1400L
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量10[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]10[kg]/5[kg]10[kg]/5[kg]
消費電力量(標準/省エネ)960[Wh]/680[Wh]990[Wh]/680[Wh]1,980[Wh]/1,980[Wh]/

②シャープのドラム式洗濯機

ES-W112ES-G112ES-H10D
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量11[kg]/6[kg]11[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]
消費電力量600[Wh]900[Wh]1880[Wh]

ヒーター乾燥の場合、ヒートポンプ乾燥の2倍以上の電気を使っている。

このことからもヒートポンプ乾燥と比べて、ヒーター乾燥がかなり電力を消費することがわかってもらえるだろう。

水道代

ヒートポンプ乾燥<ヒーター乾燥

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
水冷除湿方式空冷除湿方式
水道水使わない使う使わない

洗濯機の乾燥機能で水道代がかかるというと驚かれるかもしれない。実は、一部のヒーター乾燥では水道水を利用する仕組みになっているのだ。

ヒーター乾燥の除湿方法は、『水冷除湿方式』と『空冷除湿方式』の2種類に分けられる。

除湿方法とはどういうことかというと、衣類から湿気を取り除くと、洗濯機の中の空気の湿度が高くなる。

空気に蓄えられる湿気には上限があるので、湿度が高いままだとさらに衣類から湿気を取り出すことができなくなる。

そこで、洗濯機の中の湿度の高い空気を洗濯機の外へと排出するのだ。

このとき、水道水を使って冷却して湿気を水に変えて放出するのが水冷除湿方式、そのまま室内に空気を放出するのが空冷除湿方式というわけだ。

空冷除湿方式だと、暖かく湿った空気が室内に放出されるので、室内が暑くジメジメした状態になってしまう。

その反面、仕組みが単純なので洗濯機の製造コストを抑えられる利点がある。

一方、水冷除湿方式だと、温度と湿度の高い空気を室内に放出することがないので、室内環境への影響を最小限に留めることができる。

その代わり、水道水を使って冷却する仕組みが必要なので、製造コストが高くなってしまう。

水冷除湿方式は、高級モデルの縦型洗濯機やヒーター式のドラム式洗濯機に採用されている。

なお、ヒートポンプ乾燥は、ヒートポンプそのものに空気を除湿する機能がついているので、水道水を使うことなく除湿できるから、乾燥運転時に水道水を利用することはない。

①パナソニック

NA-VX700ALNA-VX300ALNA-VG2400LNA-VG1400L
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量10[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]10[kg]/5[kg]10[kg]/5[kg]
洗濯〜乾燥55[L]55[L]65[L]65[L]

②シャープ

ES-W112ES-G112ES-H10D
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量11[kg]/6[kg]11[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]
洗濯〜乾燥52[L]54[L]96[L]

このように、洗濯から乾燥までの工程で消費する水の量は、ヒートポンプ乾燥の方が圧倒的に少ないという利点があることがおわかりいただけるだろう。

本体価格

ヒートポンプ乾燥>ヒーター乾燥

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
本体価格高い安い

①パナソニック

NA-VX700ALNA-VX300ALNA-VG2400LNA-VG1400L
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量10[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]10[kg]/5[kg]10[kg]/5[kg]
価格.com(令和元年11月8日)230,800円〜194,500円〜257,600円〜249,300円〜

②シャープ

ES-W112ES-G112ES-H10D
乾燥方式ヒートポンプ乾燥ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥(水冷除湿方式)
洗濯・脱水容量/乾燥容量11[kg]/6[kg]11[kg]/6[kg]10[kg]/6[kg]
価格.com(令和元年11月8日)249,000円〜201,000円〜153,300円〜
シャープオンラインストア371,800円305,800円217,800円

パナソニックのオンラインストアでは、洗濯機そのものの取り扱いがないので、価格.comを参考とした。

パナソニックのドラム式洗濯機では、デザイン性に優れたキューブル(Cuble)というシリーズを発売している。

NA-VG2400LとNA-VG1400Lがそれだ。

これは、ヒーター乾燥方式なのだが、デザインが良いので人気が高く、そのために値下がりが起こりにくくヒートポンプ乾燥のモデルと比べて、値段が高くなっているのかもしれない。

シャープは、オンラインストアで取り扱いがあるので、こちらの価格も提示した。

ヒーター乾燥と比べてヒートポンプ 乾燥の方が高価であることがお分かりいただけただろう。

仕上がり

ヒートポンプ乾燥<ヒーター乾燥

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
仕上がりとても良い生地が傷んだり、縮んだりしやすい

ヒートポンプ乾燥の仕上がりは、とても評判が良い。

前述したように、ヒーター乾燥が約100℃で乾燥させるのに対し、ヒートポンプ乾燥は約60〜65℃で乾燥させる。

100℃ほどの高温なので、ヒーター乾燥では衣類の生地が傷んだり、縮んだりする可能性が高くならざるを得ない。

だが、ヒートポンプ乾燥では、より低い温度の温風で除湿しながら乾かすので、生地が傷みにくくカラッと乾すことができるのだ。

そのため、衣類の糸のほつれやよれの発生をかなり減らすことができる。

しかも、ヒートポンプ乾燥の洗濯機は、モデルによってはシワを抑える乾燥モードが搭載されており、この機能を使うと、ふんわりとした気持ちの良い仕上がりに加えて、アイロンがけの手間も減らせると言う一石二鳥の効果もあるのだ。

ヒートポンプ乾燥の利点がとても現れるのが、タオルの乾燥後の仕上がりだ。

ふんわりした仕上がりになるだけでなく、吸水性もしっかり回復させてくれる。

肌触りも良く、柔軟剤を使用しなくても、なかなかの仕上がりになるぞ。

もちろん、柔軟剤を使えば、さらに気持ちいい仕上がりになることは言うまでもない。

 

まとめ

ヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の違いを表にまとめてみた

ヒートポンプ乾燥ヒーター乾燥
電気代安い高い
水道代かからない水冷除湿方式:かかる

空冷除湿方式:かからない

温風温度約60〜65℃約100℃
衣類の傷みや縮み少ない多い
乾燥中の扉の開閉いつでも可能冷却が終わるまで不可能
周囲が熱くなるなりにくいなりやすい
質量重たい軽い
サイズヒートポンプ乾燥・ヒーター乾燥によって、幅や奥行き、高さに違いはない。

サイズの違いは、洗濯・脱水容量/乾燥容量という容量だけだ。

本体価格高い安い

このように、本体価格の点を除けば、ヒートポンプ乾燥の方が利点が多いことがわかってもらえると思う。

ヒートポンプ乾燥は、現時点ではドラム式洗濯機にしか採用されていない。

ドラム式洗濯機は、扉が左開きになっているモデルが多いが、購入時に右開きを選択することもできるので、設置場所の自由度は縦型洗濯機とさほど変わらない。

しかも、パナソニックのドラム式洗濯機には洗剤の自動投入機能が搭載されていたり、シャープのドラム式洗濯機にはマイクロ高圧洗浄機能がついていたりと、各社いろいろな機能を搭載して違いを出している。

これから洗濯機を買おうと思っている方には、ぜひヒートポンプ乾燥機能付きのドラム式洗濯機をお勧めしたい。

 

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