家電を購入する時って電気代がいくらか気になりませんか?
どの家電が電気代が高いか気になることもあるかと。でも計電気関係は詳しくないし、計算方法も分からない。
そんな人にぜひ読んで欲しい内容だ。
電力会社も自由に選べる時代。これから節電を意識してみてはいかがでしょうか?
電化製品の電気代の計算方法
ある電化製品を使ったときにどれくらい電気代がかかるのかを知りたいなら、まず、電気代に関わる用語を理解しておかなければなりません。
電気代を計算する上で必要な用語は、消費電力と定格消費電力、年間消費電力です。
消費電力
消費電力とは、電化製品が作動するために使用する電気の量のことです。一般にワットWで表されます。
例えば、消費電力が500Wの電化製品を使うとします。このとき、500W分の電力を使っているということになります。
ですから、消費電力は、電気の使用量を表しているともいえます。
定格消費電力と年間消費電力
消費電力と似た言葉に、定格消費電力と年間消費電力があります。
定格消費電力と年間消費電力には、消費電力とどのような違いがあるのでしょうか。
定格消費電力
定格消費電力とは、ある電化製品のもつ全ての機能を最大限に使った場合に使われる電気の量をいいます。
電気鍋を例に説明します。
電気鍋の電源をいれると、設定された温度を目指してどんどん加熱していきます。ところが、一定の温度に達するとサーモスタットが作動して、自動的に加熱を止めます。
加熱していくときには、電力をたくさん消費していますが、保温状態になれば、そうではありません。温度が下がることで、電気を消費して、再び加熱が再開されます。
つまり、この電気鍋は、温度によって電気の消費量が異なるわけです。
この電気鍋では、サーモスタットが作動せずに、加熱を継続した場合の消費電力が定格消費電力、加熱しているときも保温状態にあるときも含めた電力の使用量が消費電力です。
定格消費電力と消費電力にはこのような違いがあります。
年間消費電力
年間消費電力は、文字通り、一年間連続して使用し続けた場合にどれだけ電気を使用するのかを示しています。
年間消費電力が表示されている電化製品には、エアコンや冷蔵庫などがあります。
エアコンの場合は、季節によって設定温度と室温の差が大きく変化しますので、使用する電力も変わってきます。
冷蔵庫も同じで、室温が高い夏場には冷却するのにより多くの電気を使いますが、冬場はその逆で電気の使用量は少なくて済みます。
テレビも同じです。
このような電化製品は、消費電力で電気の使用量を表すのが難しいので、年間消費電力として表示するのです。
電気の基本料金
電気には基本料金というものがあることをご存知でしょうか。
電気料金の種類
電気料金は、基本料金制・最低料金制・定額料金制の3種類あります。
基本料金制
基本料金と電気の使用量に比例した電気料金を支払うプランです。
一般的に電気代といえば、この基本料金制に基づいた料金と思って下さい。
基本料金制で毎月お支払いになっている電気料金の内訳は、『基本料金』+『消費した電気代』+『再生可能エネルギー賦課金』です。
最低料金制
最低料金を設定し、それ以上になった場合電気の使用量に電力料金単価をかけて料金を定めます。
電気の使用量が極端に少ない場合に適応されます。
定額料金制
電気の使用量に関係なく、毎月支払う電気代が一定のプランです。
街路灯のように使用条件が変わらない場合に適応されます。
基本料金
基本料金は、ご家庭の契約内容によって料金が異なります。中でも多いのが『従量電灯B』です。
従量電灯Bは、各ご家庭の電気の使用量に合わせて、アンペア[A]を単位にして決められています。
アンペア数は、10Aから60Aの間で選ばれ、東京電力の従量電灯Bを例にとると、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aの7通りあります。
アンペア数が高くなれば、基本料金も高くなっていきます。
一般的な家庭の電圧は100Vですので、仮に50Aで契約しているとすれば、最大で5000Wまで使えることになります。
これは、同時に使う電気の量ですから、同時にたくさんの電化製品を使わないようにすれば、より低いアンペア数の契約に変更して、基本料金を下げることも可能です。
計算方法
ある電化製品を使うと、どれくらい電気料金かかるのかは、消費電力量がわかれば計算できます。消費電力量は消費電力と使用時間を積算して求められます。
まず消費電力量から、1ヶ月あたりの電気の消費量を計算します。それに、電力料金単価をかければ、その電化製品の電気代が算出できます。
電気代=消費電力×1日あたりの平均使用時間×30(日)×電力料金単価
電気代(消費電力)の高い家電ランキング10
電気代を節約する上で、どのタイプの電化製品がより多くの電気を消費しているのかを知ることはとても大切です。
経済産業省の総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会からの報告を元に、紹介します。
ランキング形式で電化製品別の年間電気代を記載していますが、製品によってもちろん違いますし、使用時間や使用年数によっても違いますので、あくまでも目安として考えて下さい。
①冷蔵庫
冷蔵庫は24時間365日働き続けている電化製品です。これほど長時間働き続けている電化製品は他にはないでしょう。
そういった事情もあり、1位となっています。
しかし、冷蔵庫の省エネ性能は年々よくなっており、それに伴い電気代も、年々減少傾向にあります。なんと、10年前の製品と比べると電気代は3割程度にまで減少しています。
そのため、たとえば三菱電機のMR-MX50D(503[L])の大型冷蔵庫でも、年間の電気代は6750円、同社のMR-RX46C(461[L])7128円にまで安くなっています。
近い将来、冷蔵庫の順位はランキングの上位から下がっていくことでしょう。
②照明器具
家庭用の照明器具は、LED照明の普及によってかなり省エネが進みました。
白色電球と比べると、電気代はかなり安いですし、蛍光灯照明と比べても安いです。
家庭に設置している照明の出力や数にもよりますが、60Wで年間電気代を比べると、白色電球は5000円、蛍光灯は750円、LEDは650円くらいです。
ご家庭にはいくつ照明がありますか?
③テレビ
テレビも年々省エネ性能がよくなっており、10年ほどの間に6割以上も省エネになっています。
年間の消費電力量で比較してみましょう。ソニーのKJ-43X8500F(4K)は118kWh/年、KJ-43W730E(2K)は78kWh/年です。
おなじ43インチですが、4Kテレビとフルハイビジョンテレビで電気の消費量が違うことがわかります。
年間の電気代で比較すると、4Kテレビが3200円、フルハイビジョンテレビが2100円ほどになります。
テレビの数やサイズによっても違いますので、ご注意下さい。
④エアコン
最近は、夏の暑さが非常に厳しくなり、エアコンのない生活は考えられないほどです。
そんなエアコンですが、たとえば、パナソニックのCS-X227Cは、6畳用の100[V]エアコンですが、年間電気代は15800円ほどです。
⑤電気温水器
電気温水器は、電気の力でお湯を沸かす電化製品です。フルオート、セミオート、給湯専用と3種類あります。
三菱電機の自動風呂給湯タイプSRT-J46ED5の場合、消費電力は最大で5.6kwです。
1日3時間前後使用したとすると、年間電気代は75000円くらいになります。
⑥エコキュート
エコキュートは、オール電化住宅に欠くことのできない空気と電気の力でお湯を沸かす給湯器です。深夜電力を3〜4時間使ってお湯を沸かしています。
夏場の電気代は安く、冬場に高くなる傾向があります。4〜5人家族の家庭で、年間の電気代は24000円ほどです。
一見すると高そうに見えますが、ガス給湯器や電気温水器と比べると安いです。
⑦自動食器洗い乾燥機
自動食器洗い機はとても便利です。
パナソニックのNP-TZ100で見てみると、消費電力は65Wです。洗浄時間を50分、乾燥時間を30分の合計80分で見てみると、1回あたり15円くらいになります。
1日2回、毎日使うとして、年間電気代は11000円ほどになります。
⑧電気ポット
コーヒーやお茶を入れるのに便利なのが電気ポットです。
パナソニックのNC-SU404を『98保温時』でみてみると、年間電気代は8500円くらいとなります。
⑨ジャー炊飯器
日本の食卓に欠かせないのがジャー炊飯器です。
三菱電機のNJ-VW109は、1回あたり炊飯時の消費電力量は190.7wh/回、1時間あたりの保温時消費電力量は16.5whです。
ここから、1度の炊飯に約4.9円、1時間の保温に0.4円ほどかかります。
1日3回炊飯し、毎回1時間ほど保温するとすれば、年間電気代は5800円ほどになります。
⑩洗濯機・洗濯乾燥機
家族の人数によっては、1日に2回以上使うこともある洗濯機、その気になる電気代を見てみましょう。
日立のドラム式洗濯乾燥機BD-NV120Cを例にとってみてみますと、消費電力量は洗濯時に72wh、洗濯・乾燥時に970whとなっていますので、洗濯1回あたり1.9円、洗濯・乾燥時に26円ほどかかることがわかります。
仮に、毎日1回ずつ洗濯したとすれば年間電気代は700円ほど、洗濯・乾燥では年間電気代は9500円ほどになります。
もちろん、これに水道代が別途必要です。
家電の電気代の節約方法
①エアコン
おうちの中で最も電気を消費しているのがエアコンですから、まずエアコンの節約を考えるといいでしょう。
・設定温度
夏場の室内の設定温度は27〜28℃、冬場の室温は20℃前後を目安にすることをおすすめします。
ただ、健康が一番大切ですから、この温度に無理にこだわるのではなく、体調に合わせて室温設定を調節して下さい。
・サーキュレーターや扇風機を組み合わせる
サーキュレーターや扇風機を組み合わせるのもおすすめです。
サーキュレーターや扇風機も電気を消費しますが、エアコンよりもグンと消費電力は少ないです。
これらを使って、室内の空気を効率的に循環させて、暖房や冷房の空気を効率的に室内に送ると、エアコンにかかる負荷が軽くな
るので、消費電力を下げられます。
・フィルター掃除
エアコンのフィルターが詰まると、エアコンに負荷がかかりますので、電気をより多く消費するようになります。
2週間に1回くらいはフィルターを掃除することをおすすめします。
・自動運転
実は、エアコンの電力消費を最も抑えられるのが、自動運転です。
・室外機のまわりをきれいにする
室外機も忘れてはいけません。
室外機のまわりに余計なものをおかないようにして下さい。
②冷蔵庫
冷蔵庫は、1年を通して常に可動している電化製品です。ですが、冷蔵庫も工夫次第では電気代を抑えられます。
・温度設定
冷蔵庫の温度は、切替できるように作られています。
夏場は強く冷やすようにしていても、冬場も同じにしておく必要はありません。冬場の温度設定は弱めにするなど、季節ごとに温度設定を切り替えましょう。
・詰め込みすぎない
冷蔵庫一杯に食品や食材を詰め込みすぎないようにして下さい。
冷気が循環しにくくなり、冷蔵庫の負荷が高まります。
・扉の開閉回数/開閉時間を減らす
冷蔵庫の扉を開けると、当然ですが冷気が逃げます。
扉の開閉回数を減らしたり、なるべくさっと閉じるようにして、開けている時間も短くするようにして下さい。
③自動食器洗い乾燥機
自動食器洗い乾燥機も工夫してみましょう。
・時間帯の調節
電気料金プランによっては、時間帯によって電気料金単価が異なるものがあります。
そこで、なるべく電気代の安い時間を狙って使うようにするのです。
④洗濯乾燥機
洗濯乾燥機も、使い方を工夫すれば電気代を安くできます。
・ドラム式洗濯機を選ぶ
洗濯乾燥機は、縦型洗濯機とドラム式洗濯機の2タイプあります。
比べて電気代が安いのは、ドラム式洗濯機です。特に、乾燥の電気代がとても安いです。
乾燥機能を多用する方は、ドラム式洗濯機がおすすめです。
・時間帯を選ぶ
自動食器洗い乾燥機と同じく、電気代の安い時間帯を選んで選択するようにしてください。
タイマー機能を使って、洗濯から乾燥まで済ませてしまうと大変便利です。
⑤テレビ
テレビは、サイズや画質によって電気の消費量が異なります。
・省エネモード
省エネモードがついているテレビなら、省エネモードにしましょう。
自動的に明るさなどを調節して、電気の消費を減らしてくれます。
・マメに切る
つけっぱなしはよくありません。
テレビを見ないときは、消すようにして下さい。
・高速起動モードはオフに
昔のテレビと違い、最近のテレビは電源を入れてからしばらくしないと映りません。
そこで少しでも速く映し出すためについているのが、高速起動モードです。
ただし、これをオンにしていると電気の消費量が増えますので、必要がないならオフにしているほうがいいでしょう。
電力会社の選び方
現在、電力の自由化によって、さまざまな電力会社が設立されるようになり、全国で見るとなんと500以上もの電力会社が存在しています。
契約内容の確認
基本料金が安くても電力料金単価が高い場合、消費電力量によってはかえって損することもありますし、その逆に基本料金が高く
ても電力料金でお得になることもあります。
電気料金プランの変更を考えているなら、まず現在の契約内容を確認して下さい。
電気料金の明細書に記載されている基本料金、使用料金をしっかりと理解しましょう。
電力会社を選ぶポイント
とてもたくさん設立されている電力会社から、ご自身にあった会社を選ぶためのポイントを解説します。
ライフスタイル
ライフスタイルは人それぞれ異なります。
1日のうちで電気代の安い時間、高い時間を設定している電力会社があります。
たとえば、日中、ほとんど家にいないよう方は、夜間の電力料金が安いところがいいわけです。
ライフスタイルにを振り返りましょう。
セット割
ガス会社には、電気とガスのセット割を導入しているところがあります。
同じように、ケーブルテレビやインターネットプロバイダー、携帯電話などの企業では、電気とのセット割を設けているところがあります。
ご自身のエネルギー環境や、ネット回線や携帯電話のサービスなどと照らし合わせてみるのもいいでしょう。
特典
電力会社の中には、契約するとガソリン値引きやポイントバックの制度を設けているところがあります。
日常生活をお得にできそうな特典を設けているところを探してみるのもいいですね。
解約金や違約金
中には、解約金や違約金、年数縛りのある電力会社があります。
解約手続きがややこしいところは、避けた方がいいでしょう。
サポート
電気が急に消えたり、焼けたようなニオイがしたりと、電気に関わる異常が生じたときに、無料でサポートしてくれる電力会社があります。
いざというときに頼りになるので、このようなサポート体制がしっかりしているかどうかも、重要なポイントです。
経営基盤
新電力会社は、従来からの電力会社以上に、倒産のリスクをはらんでいます。福島原発事故のときでさえ、東京電力は倒産しませんでした。
ところが、新電力会社の中には、すでに撤退した企業もあります。できるだけ経営基盤のしっかりしたところを選びたいものです。
そこで、契約件数に着目し、より多いところを選ぶと安心です。
まとめ
今回は、電化製品を使ったときに必ず支払わなくてはならない電気代について解説しました。電化製品の電気代を計算するのはそれほど難しいことではないことがおわかり頂けたと思います。
電化製品は使い方を工夫すれば、電気代は安くなります。
電化製品の使い方を工夫する以外に、新電力会社の電気料金プランを調べてみるのもいいですね。
これを機会に、電気代を安くして、お得に電化製品を使ってみませんか。