除湿機は大きくコンプレッサー式とデシカント式、そしてハイブリッド式がある。
1年通して使用したい人にはやはりハイブリッド式の除湿機がおすすめになる。ハイブリッド式はパナソニックでしか販売していない。
そんなパナソニックが2021年モデルを発売。中身はやはりいいとこばかりだ。
パナソニック ハイブリッド式除湿機 F-YHUX120
パナソニックのハイブリッド式衣類乾燥除湿機F-YHUX120はどのような除湿機なのだろうか。まずはその特徴を見ていきたい
ハイブリッド方式
コンプレッサー方式とデシカント方式の両方を備えたハイブリッド方式の除湿機である。
コンプレッサー式は、コンプレッサーを用いて空気中に含まれる水分を冷やし、結露を生じさせることで除湿する方式である。コンプレッサー式は、梅雨の時期や暑い夏場にも効率的に除湿できる除湿法だ。
デシカント方式は、デシカント素子に水分を吸着させ、それをヒーターで加熱して蒸発させた上で、熱交換器で結露させて除湿する方式である。冬の乾燥時期、つまり寒い時期にもしっかり除湿できるのがデシカント方式の利点である。
このことからわかるように、季節によって適切な除湿方法が異なるのだ。
この2方式を備えたハイブリッド方式とすることによって、年間を通して適切に除湿できるようになっているのだ。
私も家ではハイブリッド式を使用している。冬でもしっかり除湿もでき衣類乾燥もバッチリ。
ナノイーX
洗濯物を室内に干した時、嫌なニオイがした経験はないだろうか。
これは細菌の繁殖などが原因なのだが、F-YHUX120は『ナノイーX』を搭載することで除菌し、洗濯物のニオイを防いでくれるのだ。特に『ナノイーX』なら部屋干し臭いを10倍もの速さで抑えてくれるので、大変効果が高い。
そのほか、ナノイーにはカビや花粉を抑える効果がある。
もし、F-YHUX120をクローゼットに設置すれば、ニオイや湿度がこもりがちなクローゼットの除菌と除湿が行え、衣類に適した湿度環境を保てるようになるし、洗面所や浴室で使えば、カビを除去し、その上除湿までできるようになる。
ナノイーの効果は大変素晴らしいと言えるだろう。
風向きを選べる
室内に洗濯物を干した時、干し方によってF-YHUX120の風向きを選ぶことができるようになっている。
上下方向は、『上方向』・『下方向』・『全方向』の3通り、左右方向は、『ワイド』・『スポット』・『ウェーブ』の3通りあり、自由に組み合わせることができる。
特にワイド送風にした場合は、最大で165cmの幅で風を当てられるし、乾きにくいジーンズの厚手の衣類は風を集中させるスポット送風、靴を乾かしたいときは下向き送風と、乾かしたい衣類に適した風向きを選べるので、大変便利だ。
少量速乾モード
例えば、子供の体操服など少しの衣類を今すぐに乾かしたいという経験ないだろうか。
そんな時に重宝する『少量速乾モード』を備えている。少しの衣類を最大風量で一気に乾かすことができるぞ。
カラッとセンサー
温度や湿度の変化から、衣類の乾き具合を予測する『カラッとセンサー』が搭載されている。乾燥が完了したと判断されれば、自動的に電源がオフとなり停止するので大変便利だ。
高い除湿力
除湿力がとても高い。お部屋の湿気や結露をしっかり抑えて、室内をカラッとした快適な環境にしれくれるのだ。
大容量タンク
除湿力が高いのが特徴だが、除湿力が高いとたまる水分の量も多くなる。そこで、3.2Lもの大容量のタンクを備えることで、水を捨てる回数を減らしているのだ。
1日に何度も水を捨てに行かなければならないのであれば、使い勝手が悪くなるからこれはありがたい特徴だ。
もちろん、タンクにたまった水の捨てやすさもしっかりと考えられているから安心だ。
これ、実際に使用してから感じたがタンクが小さいと何度も水を捨てなくてはならない。また水が満タンになると除湿がストップするので注意が必要ということがわかった。
エコナビ
室内の温度と湿度を自動的に検知し、その変化から、衣類の乾き具合を判断し、自動的に乾燥モードをコントロールする『エコナビ』がついている。
『エコナビ』はなかなか便利な機能である。
カラッとキープモード
衣類の乾燥が終わったら、自動的に室内の除湿に切り替わる『カラッとキープモード』がついている。これによって、せっかく乾かした衣類に室内の湿気が戻ってしまう現象を抑えることができるぞ。
音ひかえめモード
運転音を抑える『音ひかえめモード』をF-YHUX120は備えている。
これを使えば、寝る前に部屋干しし、F-YHUX120で静かに乾かすといった使い方ができるのだ。『音ひかえめモード』は、電気の使用量も少なく、省エネ効果があり一石二鳥と言える優れた機能である。
寝室の前の廊下に置いて寝ることがあるが、うるさくて寝れないということはないだろう。個人差はあるがうるさいという程ではないだろう。
仕様・スペック
F-YHUX120のスペックをわかりやすく表にまとめてみた。
除湿方式 | ハイブリッド式 | ||
除湿面積 | 木造 | 11〜13畳 | |
プレハブ | 17〜19畳 | ||
鉄筋 | 23〜25畳 | ||
衣類乾燥 | ・メガスイングルーパー ・風向上下自動・風向左右自由 ・165[cm]ワイド送風 ・少量速乾モード
| ||
除湿 | カラッとキープモード | ||
清潔 | ナノイーX | ||
衣類ケア | ・花粉モード ・ニオイモード ・クローゼットモード | ||
省エネ乾燥 | ・エコナビ ・カラッとセンサー | ||
衣類乾燥 | 電気代の目安と消費電力 | 少量速乾 | 18.5〜19.4円/h(685〜715[W]) |
1回あたり24.3円 | |||
速乾 | 18.5〜19.4円/h(685〜715[W]) | ||
1回あたり24.3円 | |||
おまかせ | 6.1〜6.7円/h(225〜245[W]) | ||
1回あたり11.1円 | |||
音ひかえめ | 6.0〜6.4円/h(220〜235[W]) | ||
1回あたり13.4円 | |||
乾燥時間 | 速乾 | 75分 | |
おまかせ | 104分 | ||
音ひかえめ | 137分 | ||
除湿 | 電気代の目安と消費電力 | お部屋まるごと、強 | 6.1〜6.7円/h(225〜245[W]) |
おまかせ・中 | 6.0〜6.4円/h(220〜235[W]) | ||
弱 | 5.7〜6.1円/h(210〜225[W]) | ||
衣類ケア | 電気代の目安と消費電力 | クローゼット | 6.1〜6.7円/h(225〜245[W]) |
ニオイ(除湿モードon) | 6.1〜6.7円/h(225〜245[W]) | ||
ニオイ(除湿モードoff) | 2.5〜2.6[W](90〜95[W]) | ||
花粉 | 2.5〜2.6[W](90〜95[W]) | ||
サイズ | 580×370×225mm | ||
質量 | 13.9kg | ||
タンク容量 | 3.2L |
ハイブリッド除湿機のメリット、デメリット
コンプレッサー方式単独やデシカント方式単独ではなく、両方を備えたハイブリッド方式の除湿機にはどのような特徴があるのだろうか。
メリットとデメリットの両面から見てみよう。
メリット
まずは、ハイブリッド方式の除湿機のメリットから紹介しよう。
1、除湿力が高い
ハイブリッド方式の第一の利点は、除湿力の高さである。
暑い時期にはコンプレッサー方式、寒い時期にはデシカント方式と、季節によって適した方法で除湿することで、1年間を通して高い除湿力を常に維持してくれる利点があるのだ。
2、衣類を早く乾かせる
除湿力が高いということは、衣類乾燥に使った場合、洗濯物の乾燥にかかる時間が短いということでもある。
早く乾かすことができれば、その分ニオイの原因となる細菌の繁殖を抑えられる効果も生まれるので、これは大変大きなメリットと言えそうだ。
3、気温に応じた湿度調整が可能
例えば、冬に除湿をかけると体感温度が下がってしまう。夏には除湿をかけることで、気温が下がらなくても、快適さが増す。
このように、季節によって適切な除湿量が異なるわけである。
ハイブリッド方式なら、季節に応じて除湿方式を切り替えて、適切な除湿を行えるという利点がある。
4、省エネ効果が高い
ハイブリッド方式の除湿機は、コンプレッサーからの排熱を利用するなど、効率的な除湿ができるので、デシカント方式単独の除湿機よりも省エネ効果が高いという特徴がある。
デメリット
では、次にハイブリッド方式の除湿機のデメリットをみてみよう。
1、価格が高い
コンプレッサー式除湿機とデシカント式除湿機のいいとこ取りといえば聞こえもいいが、両方の機能を搭載しているわけだから、どうしても価格が高くななってしまう。
実際、レビューを見てもF-YHSX120の価格の高さをデメリットにしている声もある。その分、高性能なのだから仕方がないかもしれないが、もう少し安くなってくれればと願ってしまう。
2、サイズが大きい
コンプレッサー式除湿機とデシカント方式の除湿機の2つを備えているわけだから、どうしても除湿機本体サイズが大きくなってしまう。
使用時の設置場所だけでなく、使わないときの収納場所もそれだけ選択肢が狭くなってしまうわけで、サイズが大きいということは、ハイブリッド方式のデメリットの一つに加えてもいいだろう。
3、本体が重たい
一般的な除湿機の質量は5〜8[kg]が多いのだが、F-YHUX120の質量はおよそ15[kg]と、かなり重たい。これは前述したスペックを参照してもらえるとわかると思う。
4輪キャスターがついている。キャスターによって動かしやすくなっているとはいえ、さすがに重たいと持ち運びが難しくなる。
一人暮らしの女性の方が使うというケースがあることを考えると、パナソニックさんには重量の面ももう少し改善してもらいたいところである。
気になる口コミ・評価 F-YHUX120
F-YHUX120を実際に購入した人は、どのような評価をしているのだろうか。購入した人の評価をご紹介しよう。
nonitanさん
「花粉シーズンに部屋干しにおすすめの除湿機ということで、店員さんにすすめられて買ったのですが、梅雨のようなジメジメした季節もnanoe-Xで嫌な部屋干し臭を抑えながら、しっかりと乾かしてくれるので助かっています。」
部屋干しした洗濯物から発するニオイは、誰にとっても嫌なものだ。ニオイのする服を着ると、気分も悪くなってしまう。だが、F-YHUX120ならナノイーXの効果で部屋干し臭を防いでくれるので、満足しているようだ。
そうとうさん
「お店で部屋干し臭を10倍抑えられると聞いて買ってみましたが、本当だった。臭わない」
こちらの方も、ナノイーの効果の高さを実感していることがよくわかるな。F-YHUX120の特徴の一つである部屋干し臭を10倍の速さで抑えられる効果は捨てがたい魅力があるようだ。
yukaさん
「洗面所に置くために除湿機。高かったけど、ニオイが気にならなくなったよ。」
yukaさんは、洗面所の湿気取りにF-YHUX120を購入したみたいである。
湿気によるニオイを気にしていたようだが、満足しているようである。ただし、値段が高かったようなので、それが玉に瑕といったところだろうか。
F-YHUX120の設置場所に関するコメントがないのでなんとも言えないのだが、サイズの面はそれほど問題とはならなかったのだろうか。
カウさん
「コインランドリーに行く必要がなくなりました。店員さんの教えてくれた通り、めっちゃ使える。もっと早く買うべきでした。」
カウさんは半信半疑で購入したようなのだが、F-YHUX120の除湿性能に大満足しているようだ。「もっと早く買ったらよかった」という言葉に全てが凝縮されているようだ。
確かに、常にコインランドリーに通うコストと比べれば、F-YHUX120は高いと言っても比較にならないほど安いのだろう。
要するに、使い方によってはF-YHUX120の価格が十分許容できるというわかりやすい一例といえそうだ。
るんるんばーさん
「結露がひどかったけど、これ(注:F-YHUX120)を買ってから結露がなくなりました。」
るんるんばーさんは、自宅の冬の結露に悩まされてたようだが、F-YHUX120を買ってからはそんな悩みも解消されたようでなによりだ。
F-YHUX120の除湿力はさすがと言わざるをないな。
まとめ
今回は、パナソニックの衣類乾燥除湿機F-YHUX120を紹介した。
ハイブリッド方式なので、一年間を通して室内環境を快適に保つことができるようになっている。だが、ハイブリッド方式としたため、本体価格が高く、除湿機そのものも大きく重くなってしまっている。
せっかくの高性能な除湿機を作るのだから、パナソニックさんにはもう少し頑張っていただき、より手が届きやすい、軽量なハイブリッド方式の除湿機を作ってもらえればと思い。
とはいえ、F-YHUX120はなかなか高性能な除湿機には違いない。これは断言できるので、これから除湿機を買おうと思っている方は、一度検討してみてはいかがだろうか。