近年の暑い夏、寒い冬を乗り切るには、エアコンの助けが必要です。
エアコンは熱中症を予防したり、冬場の寒さを凌いだりと、もはや欠かせない存在です。
ところが、エアコンは1年を通して常に可動しているわけではなく、夏と冬を除けば、使っていない時期も多くあります。
そして、久しぶりにつけてみたら・・・、酸っぱいようなイヤなニオイがしてきたけいけんありませんか?このニオイ、何が原因なのでしょうか?
どうすれば解消できるのでしょうか。
ニオイの原因と汚れ
エアコンのニオイの原因とは
エアコンのイヤなニオイの原因の筆頭にあげられるのが、カビです。
カビ以外のニオイの原因としては、タバコを吸う方がいるならタバコのヤニ、食べ物のニオイ、キッチンからの油分を含んだ水蒸気、人の汗などがあげられます。
これらのニオイが、エアコンの送風に伴って室内に排出されるわけです。
どうしてカビが発生するの?
夏場、エアコンをクーラーとして使うと、お部屋の暖かい空気を吸込んで、代わりに冷たい空気を吹き出して、お部屋を冷やします。
冬場、窓が結露を起こして濡れているのを見たことありませんか?これは、お部屋の外側と内側での温度差が原因で生じる現象です。
暖かい空気が窓で冷やされて、暖かい空気に含まれていた水分が、空気に含みきれなくなって、窓に付着するというわけです。
エアコンの内部でもこれと同じ現象が起こります。そのために、エアコンの内部で結露が生じ、水分が発生します。
この水分と、空気中に含まれたホコリが結びついて、カビが発生しやすい土壌が作られるのです。
エアコンの内部は、温度や湿度が一定で、ホコリやゴミもたまりやすく、カビにとっては居心地の良い環境になっているといえます。
エアコンにカビが発生しやすい時期とは?
エアコンを使うのは、夏と冬が中心です。夏と冬どちらもカビが発生しやすいかというとそうではありません。
圧倒的に夏に発生しやすい傾向があります。なぜなら、冬場の暖房運転では、エアコン内部でカビの温床となる水分は発生しないからです。
カビが繁殖しやすい場所はどこ?
では、エアコンのどこにカビは繁殖しているのでしょうか?
一般的にイメージされるのは、エアコンのフィルターです。
ところが、カビが繁殖しているのはフィルターだけではないのです。
エアコンの吹き出し口
一番目につきやすいカビが生えやすいところが、エアコンの吹き出し口です。
ルーバーとよばれる風向きをかえる羽の部分や吹き出し口の内側によく繁殖しています。
熱交換器(アルミフィン)
エアコンのフィルターを外したら見えてくるアルミでできた網のような部分のことです。
熱交換器にカビがはえると、エアコンの空気はここを通るので、エアコン内部のさまざまなところにカビの胞子が運ばれることになります。
送風ファン
エアコンの送風ファンもカビが発生しやすいところです。
ここにカビが発生すると、送風力が低下する原因にもなります。
本体カバーの内部
エアコンの本体カバーの内側は、ホコリがたまりやすいところです。このホコリと水分が結びつくとカビにとって繁殖しやすい温床になります。
通風路
エアコン内部の空気の通り道、通風路にもカビは発生します。
ただ、この部分については、分解しないと目にすることは出来ないので、掃除することは難しいでしょう。
クリーニング(掃除)の頻度は?
エアコンのクリーニングの頻度は?
フィルター掃除
エアコンフィルターは、月に2回は掃除をするようにして下さい。
毎月第一日曜と、第三日曜など決めておくとわかりやすいでしょう。
エアコン内部
エアコン内部のクリーニングは、1〜3年に1回くらいのペースでするのがおすすめです。
エアコンのクリーニングをしなかったら・・・
エアコンのクリーニングを怠っているとどうなるのでしょうか
ニオイがする
クリーニングを怠ることで最もわかりやすい症状が、エアコンからの異臭でしょう。
酸っぱいニオイが代表的ですね。
効きが悪くなる
汚れがたまると、エアコンの動きも悪くなります。
吸込みも吹き出しも効率が下がるので、エアコンの効きが悪くなってしまい、電気代も高くなります。
風量が低下する
フィルターの目詰まりによって、空気の通りが悪くなるので、風量が低下します。
エアコンの水漏れ
エアコン内部にたまった水は、ドレン配管を通して室外に排出されます。
汚れがたまって、排水がうまくいかなくなれば、水の行き場が無くなるため、水漏れを起こすことになります。
フィルターのお掃除機能が搭載したエアコンも注意!!
フィルターのお掃除機能があれば大丈夫?
近年、フィルターをエアコン自身が掃除してくれる自動掃除機能がついたエアコンが増えています。
以前は高級モデルにしかついていませんでしたが、中級モデルにも搭載される例が増えてきました。
では、自動掃除機能がついていたら、カビが発生しないのでしょうか。残念ながらそうではありません。
なぜなら、たとえ自動掃除機能がついているエアコンであっても、掃除してくれるのはあくまでもエアコンフィルターだけだからです。
自動掃除機能がついているエアコンでも、冷房運転をすればエアコンの内部で結露が生じてカビが繁殖しやすくなるという条件には、かわりはありません。
エアコン内部のクリーニングは、自動掃除機能がついていても、ついていなくても同じように必要なのです。
カビの予防法
ちょっとした使い方の工夫で、カビの繁殖はぐっと抑えられます。
送風運転
エアコンを切ったのち、2時間程度送風運転をしてみてください。
こうすれば、エアコン内部を乾燥させることができるので、カビの予防になります。
エアコンを使わない季節にも、月に一回くらいの間隔で送風をかけるといいでしょう。
内部クリーン運転
内部クリーン機能がついているエアコンなら、エアコンを切った後に内部クリーン運転を行ないましょう。
自動で設定できるなら、自動にしておくと忘れることがないので便利ですね。
運転開始後窓を開ける
せっかくエアコンをかけているのに、窓を開けるというのはなんだかもったいないように思われることでしょう。
けれども、運転開始直後は、最もカビが排出されやすいといわれています。
ですから、10分くらいの間、窓を開けてお部屋を換気している方が、健康にもよいのです。
まめにお部屋を換気する
エアコンが吸込むお部屋の空気が淀んでくれば、その空気をエアコンが吸込んでしまいます。
食べ物やタバコ、人の汗などの生活臭を吸込ませないようにするためにも、エアコンを動かしている間も、こまめにお部屋の窓を開けて換気をするように心がけましょう。
自分でやるエアコンクリーニングの方法
エアコン内部の奥深いところまでは無理ですが、ご自身でもクリーニングできるところがあります。
必要な道具
ご自身でエアコンをクリーニングするなら、まずは道具を集めましょう。
必要な道具は、掃除機・中性洗剤・タオル・脚立もしくは踏み台、そしてマスクです。
椅子にのって掃除をするのは不安定なので危険です。思わぬケガを防ぐためにも、脚立か踏み台を準備しましょう。
ホコリやゴミが飛び散りますので、それらを吸込まないようにマスクもしておいた方がいいでしょう。
フィルターの掃除
まずは、エアコンのフィルターの掃除から始めましょう。
①フィルターの上から掃除機をかける
いきなりフィルターを外すと、フィルターについているホコリやゴミが飛び散りますので、取り外す前に掃除機でフィルターの表面についたホコリやゴミを吸い取りましょう。
②フィルターを外して掃除機をかける
次は、フィルターを外します。フィルターに掃除機をかけるときは、外側からかけて下さい。
エアコンのフィルターの空気の流れは一方通行になっています。内側から掃除機をかけると目詰まりを起こすおそれがあるからです。
③フィルターを洗う
シャワーで水をかけてフィルターを洗いましょう。
このときは、掃除機の逆に内側から水をかけることをおすすめします。
④フィルターを乾かす。
きれいになったフィルターを乾かしましょう。干し方は、日陰干しが適しています。
エアコンの吹き出し口の掃除
エアコンのフィルターの次は、エアコンの吹き出し口を掃除しましょう。
①コンセントを抜く
エアコンのコンセントを抜きましょう。
②ルーバーの動きをチェックする
エアコンの吹き出し口についている、風向きを調整する羽をルーバーといいます。
ルーバーの動きをチェックして下さい。硬くて動きが悪い場合は、無理に動かさないように注意して下さい。
③タオルを中性洗剤に浸す
中性洗剤を薄めて、タオルを浸しましょう。
④汚れを拭き取る
指先に中性洗剤を浸したタオルを巻き付ける、もしくは割り箸に巻き付けて、ルーバー部分の汚れを拭き取りましょう。
⑤仕上げ
汚れが取れてきれいになったら、水拭きをしてきれいにしましょう。
エアコンクリーニングのおすすめスプレー
おすすめのエアコン洗浄スプレー
①アース製薬 らくハピ エアコン洗浄スプレー 防カビプラス フレッシュフォレストの香り
緑茶ポリフェノール配合で消臭効果の高い、さわやかな森林の香り=フレッシュフォレストの香りがするエアコン洗浄スプレーです。無臭タイプもあります。
防カビ成分を配合しているので、エアコンのフィンに発生しやすいカビを防ぎます。自動掃除機能搭載エアコンにも対応しています。
洗浄後、乾燥するのに10分程度時間が必要です。洗浄成分は、アルキルアミン系界面活性剤です。
②イーサプライ エアコンフレッシュ
エアコン内部の汚れやカビを丸ごと洗浄するエアコン洗浄スプレーです。成分は、電解アルカリイオン水と化粧品原料、天然抽出物なので安全性が高く、安心して使えます。
電解アルカリイオン水が汚れを浮き上がらせて、強力に洗います。
アルミフィンに吹き付けるだけという簡単さも特徴です。汚れは、ドレンから排水されるので問題ありません。
洗浄後の乾燥時間は、およそ15分です。洗浄成分は、アルカリイオン水です。
③ショーワ くうきれい エアコン内部洗浄剤
ムースエアゾール缶とリンスエアゾール缶の2つで1セットのエアコン内部洗浄用の洗浄スプレーです。内部洗浄用なので、フィンの奥にまで到達しやすい後発泡タイプとなっています。
洗浄液は、フィンにしっかりつくので、汚れをしっかりと分解してくれます。
その後は、中和効果と防食効果を兼ねたリンスが、短い時間で泡を消失させて汚れをきれいに落とします。
洗浄成分は、高級アルコール系の界面活性剤です。
④ショーワ くうきれい エアコンファン洗浄剤
こちらも、エアコン内部洗浄剤と同じく、ムースエアゾール缶とリンスエアゾール缶で1セットになっているエアコンファン洗浄剤です。
ファンに洗浄液がしっかりとくっつくので、時間が経って硬くなった頑固な汚れも分解できるのが特徴です。
分解された汚れを含む泡を、中和効果や防食効果を兼ねたリンスが消し去って、エアコンファンをきれいにします。
洗浄後の乾燥時間はおよそ10秒です。
洗浄成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルです。
⑤ケミコート エアコン内部クリーナー
水100%なので口に入っても安心なくらい安全性の高いのが特徴の、エアコンのアルミフィン掃除専用の洗浄スプレーです。アルミフィンに吹きかけるだけで簡単に掃除が出来ます。
水100%の秘密は、電解アルカリイオン水です。電解アルカリイオン水は、油汚れに強い上に、強力に除菌できます。そのために、イヤなニオイがしません。
しかも、界面活性剤を使わないので、2度拭きがいりません。100%水なので、環境にもやさしいです。洗浄後の乾燥時間は、10分ほどです。
洗浄成分は、電解アルカリイオン水です。
エアコン洗浄スプレーの使用上の注意点
洗浄剤を残さない
エアコン洗浄スプレーがエアコン内部に残ってしまうと、きれいにするつもりが、かえってカビが繁殖する温床となるおそれがあります。
洗浄剤が残らないように気をつけましょう。
電気関係にかけない
エアコン内部の電気関係の部品にエアコン洗浄スプレーをかけないように注意して下さい。
エアコンの内部には繊細なセンサーやモーターなどがあるので、故障や火事の原因となります。
限界がある
エアコン洗浄スプレーで洗浄できるのは、熱交換器などあくまでもエアコンのごく一部、限られた場所だけです。
エアコン内部にあるモーターやファン、ドレン配管などは掃除できません。
エアコン洗浄スプレーでの洗浄には限界があることをご理解下さい。
まとめ
エアコンのイヤなニオイの原因は、エアコン内部にたまった水分とホコリに繁殖したカビです。
酸っぱいイヤなニオイがするのは、気分も悪いですし、健康にも良くないです。
適度にエアコンをクリーニングして、エアコンを気持ちよく使いましょう。